犬の狂犬病ワクチンと混合ワクチンの違いを知ろう!

狂犬病ワクチンと混合ワクチンの違いアイキャッチ 健康と予防

こんにちは、獣医師まるです。

飼い主
飼い主

子犬を迎えたばかりだけど、次のワクチンはいつだっけ?ワクチンってどんな種類があるんだろう?

とお悩みではありませんか?

今回は犬のワクチンの種類がよくわからない、打つ必要があるのか考えたい、何回打つのか知りたい、という方に向けて犬のワクチンの基本情報を解説します。

犬のワクチンは大きく分けて2種類

犬に必要なワクチンは、大きく分けて2種類あります。

  • 狂犬病ワクチン
  • 混合ワクチン

狂犬病ワクチンは、接種が義務付けられていますが、混合ワクチンは任意での接種になります。

それぞれの特徴や接種スケジュールについて詳しく見ていきましょう。

狂犬病とは?

どんな病気?

皆さんは狂犬病がどんな病気かご存知ですか?

狂犬病とは文字通り、感染してしまった犬が狂ったように暴れることから名付けられた病名です。
そして発症してしまった場合、致死率はほぼ100%です。

この病気の恐ろしいところは、犬以外にも、人間や他の哺乳類にも感染する可能性があるということです。

人にも動物にも感染する病気のことを「人獣共通感染症」といいます。

どのようにして人にうつるのかというと、狂犬病ウイルスに感染している動物に噛まれると感染してしまいます。
このウイルスは神経をおびやかし、完治することはありません。

狂犬病って国内で発生しているの?

そんな怖い病気ですが、日本は世界でも数少ない狂犬病清浄国(国内で狂犬病が発生していない国)です。

飼い主
飼い主

国内で発生していないのになんで予防接種が必要なの?

狂犬病清浄国である日本では、通常狂犬病は発生しないと思われます。
ただし、「みんながしっかり予防をすれば」の話です。

日本国内でも、「感染しても死なない程度の力の弱まった狂犬病ウイルス」が野生動物の中に潜んでいる可能性は十分にあります。

つまり、国内であっても狂犬病の感染リスクがゼロとは言い切れません

時々、全国ニュースで「狂犬病予防接種を受けていない飼い犬が、公園で子どもを噛んだ」という報道を目にすることがあります。

これは言い換えると、
「狂犬病ウイルスがどこかにいるかもしれない日本で、予防接種していない動物に噛まれてしまうと、人も狂犬病にかかっちゃうかもしれない。かかったら死んじゃうからね。予防接種で狂犬病のない国を守ろうね!」
という注意喚起なのです。

むやみに野生動物とは触れ合わないようにしましょう。
そして飼い犬にはしっかり予防接種を行いましょう。

狂犬病ワクチンについて

狂犬病の予防は義務

日本では生後91日以上の犬に対して狂犬病ワクチンの接種が法律で義務付けられています
これは狂犬病予防法という法律で定められています。

このワクチンは、年に1回必ず接種する必要があり、飼い主としての責任でもあります。

狂犬病予防接種ができる場所

接種方法は2つです。

  • 自治体の集団接種
  • 動物病院での接種

多くの自治体では、狂犬病ワクチンの集団接種を実施しています。
市町村が指定した会場で集合注射を受けることができます。
集団接種のスケジュールや場所は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

ほとんどの動物病院でも接種可能ですが、病院によっては限られた時期にしか接種できないこともあるので、こちらも事前に確認しましょう。

動物病院での接種と比べて、集団接種では健康診断などは受けられない場合がほとんどです。
持病がある犬や体調面で気になることがある場合は、動物病院での接種がおすすめです。

犬の混合ワクチンについて

どんなワクチン?

混合ワクチンは任意で接種するもので、犬がかかりやすい複数の病気を一度に予防することができます。

【犬の混合ワクチンで予防できる病気】

・パルボウイルス感染症
・ジステンパー
・犬アデノウイルス2型感染症(犬伝染性肝炎も)
・犬パラインフルエンザ
・犬コロナウイルス感染症

これらは下痢や呼吸器症状などを引き起こします。
犬アデノ2型や犬パラインフルエンザは「ケンネルコフ」と呼ばれる犬の風邪の原因のひとつです。

病院によって2〜11種混合ワクチンがありますが、一般的には5〜8種を接種します。

接種スケジュール

混合ワクチンの接種は、子犬の場合、生後2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月のタイミングで行います。
その後は年に1回の追加接種が一般的です。

※動物病院によってワクチンの接種スケジュールの方針が異なる場合があります。詳細な接種スケジュールはかかりつけの獣医に尋ねましょう。

生後2〜3ヶ月の子犬は、母親から受け継いだ免疫(移行抗体)が低下してくる時期なので、感染症にかかりやすくなります。
この時期にしっかりとワクチンを接種してあげることで、十分な免疫力が身につきます。

まとめ

犬の健康を守るためには、狂犬病ワクチンと混合ワクチンのどちらも重要です。
狂犬病予防は犬だけでなく、人の健康を守るためにもワクチン接種が義務化されています。
適切な時期にワクチンを接種することで、愛犬が健康に生活できるようサポートしてあげましょう!

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