混合ワクチン打った方がいいのv?
子犬や子猫は、母親から受け継いだ免疫に守られていますが、この免疫は生後数週間から数ヶ月で徐々に失われていきます。また、老犬や老猫は加齢により免疫力が低下してきます。この免疫が落ち始める時期に感染症にかかりやすくなるため、ワクチン接種が重要になります。
ただ犬や猫の混合ワクチンは任意のワクチンなので、必ず打たなければいけないわけではないです。
「子犬の時に打ってるからもうワクチン打たなくて大丈夫でしょ」
「うちの子は病気したことないから打たなくていいや」
「高齢になってきたからもうワクチン打つのやめよう」
「今まで打ったことないけど、元気だから打たなくていいよね」
と思っている飼い主さんも少なくありません。
ワクチンは、かかると重症化してしまう病気や、発症した際に確立された治療法がない病気からペットを守ることができます。そして仮に感染しても重症化を防ぐことができます。
愛犬や愛猫の病気を予防したいなら、混合ワクチンは定期的に打った方が良いでしょう。
ワクチンってそもそも何なの?
犬や猫の混合ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌を弱めた(弱毒化した)ものを体内に入れることで体内に抗体を作り、免疫力を高める仕組みです。ワクチンは弱毒化されているため、接種によって発症することはありません。
抗体は、病原体と戦うための「武器」と考えるとわかりやすいです。敵である病原体の種類によって、必要な武器は異なります。ワクチンは、弱い病原体を使ってその敵に合った武器を体に作らせ、実際に感染した時のために備える仕組みです。
ただし、抗体は1度ワクチンを打っただけで永久に体内に残るわけではありません。時間が経つと少しずつ減っていきます。だからこそ、定期的にワクチンを接種して、常に病気に対する準備をしておくことが大切です。これが予防接種の役割です。
副反応はある?
犬や猫も人と同様、体に入ってきた異物に対して免疫がはたらきます。
ワクチン接種後、接種部位の腫れや痒み、赤み、または軽度の元気低下、食欲低下、下痢、嘔吐などが生じることがあります。これはワクチンという異物に対する正常な免疫応答なので、通常数日で改善します。
副反応とは別で、ワクチンに対してアレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギーとは体に入ってきた異物に対して過剰に免疫がはたらき、様々な症状を引き起こすことです。具体的には全身性の痒みや湿疹、顔の腫れなど、接種部位以外の全身症状がみられます。
命に関わる重篤なアレルギー反応として、アナフィラキシーショックというものがあります。
ワクチン接種後に稀ではありますが、呼吸困難や意識の消失、痙攣といった症状が現れることがあります。
この場合、迅速な対応が必要です。接種後すぐに愛犬・愛猫がぐったりしていたり、呼吸が苦しそうであれば、一刻も早く獣医師の元で治療を受けてください。
過剰に反応してしまった免疫反応を抑制させる処置により、回復が見込めます。
接種した時の体調によって副反応やアレルギー症状が引き起こされるかどうか、またその程度は異なります。ワクチン接種は体調の良い時に行いましょう。そして接種後数日は安静に過ごしましょう。
ワクチンを打たない方がいいケースってある?
体調が万全でない時にワクチンを打つと、効果が十分に得られないだけでなく、副反応が出やすくなることがあります。以下に当てはまる場合は、獣医師と相談の上、ワクチンを打つか打たないか検討しましょう。
・元気がない
・食欲がない
・発熱がある
・下痢や嘔吐をしている
・過去にワクチンでアレルギー反応を起こしたことがある
・過去に食べ物や薬に対してアレルギー反応を起こしたことがある
・病気の治療中で、もし副反応が起きた時に対処できるか不安がある
愛犬・愛猫の体調について少しでも心配なことがあれば、獣医師に相談しましょう。
ワクチンを打たないことで生じるデメリット
ワクチンを打たないことには、いくつかのデメリットがあります。まず、ペットホテルやドッグラン、トリミングサロンなど、ペットを預けたり遊ばせたりする施設の多くが、ワクチン接種証明書を求めるため、未接種の場合は利用できないことがあります。これは、他の動物に病気が広がるリスクを減らすための措置です。
また、ワクチンを打たないと、病気の予防ができなくなります。感染症にかかるリスクが高まり、場合によっては命に関わるような重症化を引き起こすこともあります。犬同士や猫同士で伝染する病気を防ぐためのワクチンは、ペット自身だけでなく、周囲の動物たちの健康を守るためにも重要です。
まとめ
ワクチンの接種は、飼い主さん自身の判断に委ねられていますが、病気の予防という観点からは接種を推奨します。ワクチンを受けることで、さまざまな病気を未然に防ぐことができるためです。
接種するかどうか迷ったときは、かかりつけの獣医師と相談し、ペットにとって最善の選択をすることをお勧めします。
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