こんにちは、獣医師まるです。
今日は犬の飲水量について解説します。
犬の適切な飲水量
皆さんのワンちゃんは1日にどのくらい水を飲んでいますか?
「うちの子よくガブ飲みしてるけど大丈夫かな?」
「飲んでる量なんて気にしたことないな〜」
そんな方も多いと思います。
愛犬の健康を保つためには、適切な飲水量を確認することが重要です。
まずは愛犬の体重を測り、1日に必要な水分量を計算してみましょう。
一般的に、犬が1日に必要とする水分量は体重1kgあたり50ml程度です。
例えば、体重が5kgの犬であれば、5kg × 50mlで250mlが目安です。この場合1日200〜300mlの水を飲んでいれば十分と言えるでしょう。
この量はあくまで目安であり、年齢、季節、体調、食事内容、活動量によっても異なります。
人間も生活環境や運動量によって飲水量に個人差が出るように、ワンちゃんも飲水量に個体差があります。
運動量の多い活発な犬は、水を飲む量や頻度が増えます。
子犬も比較的頻繁に水を飲みます。
どんな水を用意すればいいの?
ワンちゃんたちに与える水は普通の水道水が最適です。
もし愛犬にミネラルウォーターをあげている場合は、成分に注意しましょう。
軟水はミネラルが少なく、硬水はミネラルを多く含む水です。
日本の水道水は軟水です。
犬の飲み水として水道水が最適な理由は、
硬水のミネラルウォーターは犬にとってミネラル(マグネシウムやカルシウム)が多く、尿結石ができるリスクが高まるからです。
尿結石とは腎臓や膀胱、または尿の通り道にできる石のことです。
この石は食事に含まれる成分や体質によってできてしまいます。
石が詰まってしまうと尿が出なくなり、長時間排尿できない場合、命に関わります。尿結石の発生リスクを下げるためにも、硬水のミネラルウォーターは控えましょう。
「うちの子は外飼いで、溜まった雨水を飲んでるわ」
というワイルドな飼い主さんもたまにいます。
これは感染症の危険があるので、可能であれば水道水を用意してあげましょう。
雨水は食中毒を起こす菌や寄生虫感染、またはレプトスピラ感染のリスクがあります。
病気かも?水を飲む量が多い!
もしも愛犬の飲水量が普段より増えていたら、皆さんは気付けますか?
飲水量の増加は病気の前兆かもしれません。
「ここ数日で飲水量が明らかに増えた。」
「ここ数ヶ月で徐々に飲水量が増えた。」
「最近水をよく飲み、おしっこの量が増えた。」
こういった心当たりがある方は、ぜひ一度かかりつけの獣医師に相談してみてください。
元気だから大丈夫!と思っていたら、病気の発見が遅れてしまいます。
例えば腎臓病であれば飲水量が増え、尿の量も増えます。他にも糖尿病やホルモンの病気でも飲水量が増えることがあります。
まとめ
犬の飲水量は体重1kgあたり約50mlが目安ですが、年齢や活動量、季節などで変わります。
愛犬の健康を維持するためには、日頃から適正な飲水ができているかチェックしましょう。
また、飲水量の変化は腎臓病や糖尿病などの病気の可能性があるため、獣医師に相談をおすすめします。
コメント